毎日の暮らしの中であると便利なものの一つがハンガーラック。
クローゼットがある方でも、毎日着るもののちょい掛けや、お客様のために応接間に置いたり、活用の仕方は様々だと思います。
組み立て式のものでも、当店のような完成品の場合も遠目に見るとシンプルであまり違いがないように感じますが、職人の情熱と技術が詰まっています。
今回は、ハンガーラックの設計・製造を手掛ける工場長にお話を聞きました。
製品づくりへのこだわりや製造背景、そして未来への展望をお聞きしました。
製造への思いとこだわり
製品の品質を高めるための工夫
製品の仕上がりに大きく影響を与える加工工程に細心の注意を払っています。その中でも特に重要視しているのが「面取り加工」と「羽布加工」。これらの工程は、あまり他のハンガーラックでは行われていませんが、表面の質感を高め、滑らかな手触りを実現するための欠かせないステップだといいます。工場長は、「細部にまで目を配ることで、手に取った時の満足感が変わるんです」と語ります。
素材と独自の製造アプローチ
他社との差別化ポイントについて尋ねたところ、工場長は「嵌合(かんごう)部分のクリアランスを極力少なくするために、厳選した材料を使用しています」と説明。さらに、部品の選定においては国産品を中心に、独自設計の部品も採用することで、品質の安定性と耐久性を確保しているとのことです。
製造プロセスの裏側
ハンガーラックが生まれるまで
タフグランハンガーラックが完成するまでには、次のような工程を経ています:
- 材料の切断加工:必要なサイズに素材を切り出す
- 一次加工:切り欠き、穴あけ、面取りなどの細かい加工
- 羽布加工:素材の滑らかさを出すための工程
- 溶接加工:フレームを強固に組み上げる
- 鍍金加工:防錆性を高めるための表面処理
- 組み立て加工:全ての部品を一つにまとめる
最も重要な工程とは?
工場長は、「量産時の精度を安定させるため、各工程で必要に応じて治具を製作しています」とお話をされていました。。この治具があることで、量産をするときにも品質を均一に保ち、信頼できる製品をお客様に届けられるのです。
ご購入いただいた方への思い
お客様に提供する価値とは?
ハンガーラックを手に取るお客様には、工場長は「移動やセッティング時のストレスを無くす」ことを目指していますということでした。その軽量かつ丈夫な設計は、使い勝手の良さだけでなく、見た目の美しさも兼ね備えています。
工場長からのメッセージ
「ハンガーラックそのものは脇役で、主役は掛ける物であるべきだと思っています。邪魔にならない細身のデザインに仕上げつつ、必要な強度はしっかり確保しています」とのこと。長年、店舗什器を設計されてきた経験から、機能性と美しさを両立させることを大事されています。
製造の背景と動機
製造を始めたきっかけ
戦後、百貨店での陳列販売が始まり、それに伴う什器の需要が増えたことがきっかけです。時代の変化に対応しながら製品開発を進められてきました。
やりがいを感じる瞬間
工場長が最もやりがいを感じるのは、「製品の細部にまで計算された寸法や機能をお客様が感じてくれた時」とのこと。その瞬間が、職人としての誇りを深めるのだそうです。
環境や社会への配慮
環境を考えた製造
美d生活工房では、材料ロスを最小限に抑える設計を心掛けています。また、材料メーカーとの密な連携により、効率的な生産体制を実現しています。
地域社会への貢献
「得意先や協力会社との継続的な取引を通じて、地域社会に貢献したい」と語る工場長。持続可能なビジネスの実現に向けた取り組みが進められています。
今後の展望
製品の改良と新しい挑戦
未来の製品開発については、「さらなる軽量化と耐久性の向上を目指しています」とのこと。使用者のニーズに応じた新しい製品作りにも意欲的です。
業務用ハンガーラックの市場展望
「多様なニーズに応じたワンランク上の品質を持つ製品で市場を切り開けると信じています」と語る工場長。当店はハンガーラックは他店に比べて価格が高くなりますが、使っていただいた方に納得いただける商品だと自負しています。
おわりに
タフグランハンガーラックには、職人たちの情熱と技術が詰め込まれています。日常的に使われる製品にも、お客様がご満足いただけるための手間と工夫が込められています。これからも新商品を含めて進化を続けられる様にしていきます。