さて、今回のブログ担当は私、酒井です。 今、このブログは当番制で書いているのですが、私はこれから何度かに分けて技術的な面を書いてみようと思っています。
初回は、接合部の加工について、少し詳しく、そして職人の技術がどのように発揮されているかを書いていきたいと思います。 タフグランハンガーラックの頑丈さの一番の大きな理由かもしれません。
タフグランハンガーラックは「ろう付け」?
当社のハンガーラックの脚部や上段のバーには完全溶接という書き方をしていますが、「ろう付け」と言われる方法になります。
日本では「ろう付け」は大きな分類では溶着と言われる方法で、溶接と違うものとされているのですが、英語では溶接も溶着も「Welding」で、ろう付けも溶接というのも間違いではないようです。
Wikipedia先生によると「接合後に溶融部を外観より確認できるものを溶接、接合後でも溶融部を外観で判別できないものを溶着と呼んでいる。」だそうです。
当社の考え方としては、接合する金属を溶かしてもう固まる段階で接合するのが溶接、接合する金属を溶かさず別の金属を流し込んで接合するのが溶着、その一つが「ろう付け」という考え方です。
溶接は強度はあるのですが、溶かして接合するため接合部が盛られたように汚くなります。
ろう付けは強度は溶接よりも落ちますが、接合部を溶かすことがなく溶接より綺麗に仕上がります。
ノウハウが重要な「ろう付け」
さて、タフグランハンガーラックは溶接より強度の弱いろう付けを行なっています。
これだけだと溶接の方が良いように感じますが、実際には設計担当が強度計算をして、この強度であれば業務用ハンガーラックとして十分という判断のもとに「ろう付け」を採用しているので問題はありません。
また、ろう付けは接合する金属は溶かさないものの、ろう材が金属の結晶格子の中まで拡散して、強度を生み出します。 このために使用用途、接合部の前処理や接合金属に合わせた「ろう材」の選定が重要で、これは私たちのノウハウになります。
そのおかげでろう付けでも強度のあるハンガーラックになっています。
熟練の技が綺麗な接合面を作ります
当店では店舗ディスプレイで使うための綺麗さを考え、ろう付けの中でも手間のかかる「トーチろう付け」を行なっています。
トーチろう付けは手作業で、バーナーを当てながら加熱したところに「ろう」となる金属を溶かして流しこむ方法です。
最近では、DIYショップでも業務用のトーチやろう材となる金属棒(ろう棒)も売っているようですが、普通にすれば、ろう材を盛り過ぎてしまい溶接ほどではないにしても仕上がりが汚くなります。
そこを綺麗に仕上げるには熟練の技です。
適切なバーナーの温度で、ろう材を溶かす時間、流し込む量も、全て職人技で綺麗な接合面を作っています。
組立式のハンガーラックは大量生産のため溶接部分は、ほぼ産業ロボットで海外(主に中国)で行なっています。 それ自体は価格という要望に応えているので悪いことではありません。
しかし、タフグランハンガーラックが目指しているのは価格ではなく、長く店舗ディスプレイ、物流に使える製品です。業務用に必要な強度や、仕上がりの綺麗さを両立させるために「ろう付け」を行なっています。
設計がハンガーラックに最適な加工方法を選択して、それを製品に出すため技術やノウハウ、職人の熟練技術が重なってできている製品です。
だから「ろう付け」を接合部に採用できます。
ということでハンガーラックを作る技術の第1回は終わりです。 次回の私のブログ当番の時には、パイプのことについて取り上げてみたいと思います。
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