美d生活工房の酒井です。
これまで溶接とパイプからハンガーラックの耐荷重を技術的に解説をしてきましたが、今回のパーツはキャスターを取り上げてみます。
基本的にハンガーラックが地面と設置している部分はキャスターの設置面のみ、ここに全ての本体と掛けた洋服の全ての荷重かかっています。まるで人間の足の裏みたいですね。
人間の足の裏にはツボがたくさんあって健康に関わってくると言いますが、キャスターもハンガーラックの強度の要だと言えます。
ハンガーラックに必要になるキャスターの耐荷重の計算
まずはキャスターの耐荷重を計算式についてです。
ハンガーラックの場合は4つのキャスターがついています。
このため計算式は下記のようになります。
許容積載荷重 = キャスター1個の許容荷重 × 4 × 0.8
例えば、耐荷重100kgのハンガーラックであれば、ひとつ31.25kg以上の耐荷重のあるキャスターを着けなければいけないということになります。
キャスターの耐荷重はメーカーが出していてくれるので、必要な耐荷重が計算できたら、そのキャスターを用意してもらえれば大丈夫です。
ハンガーラック本体とキャスターの取り付け方
(リンク先は全てGoogle画像検索の検索結果です。)
強度は、キャスターの耐荷重以外にもハンガーラック本体への取り付け方で変わります。
当店のタフグランハンガーラックのキャスターは「ネジ込み式」と言われる方法になります。
ハンガーラック本体とキャスターをネジ止めしており、細いパイプに取り付ける方法としては強度がある取り付け方です。
ネジ込み式 https://bit.ly/3eaTz8g
その他の方法としては「差込式」と「プレート式」があります。
差込式はキャスターにゴムパイプが取り付けられており、受け側に差込で固定するタイプになります。
強度を上げるためにゴムパイプを膨らませるようにナットで締め付けられるようにして強度を上げているのものありますが、ネジ込み式よりは強度が低いものが多くなります。
安価なハンガーラックには、この方法が使われていますが、受け側もプラスチックのためかなり強度は落ちます。
プレート式はキャスターの取り付け部分がプレートになっており、もっとも強度があるタイプのものです。
4本のネジで本体に取り付けるので、移動する場合にも負荷が抑えられます。
ただ取り付け側にもプレートをネジ留めできる大きさが必要です。
このため台車やカゴ台車に使われています。
プレート式 https://bit.ly/2zJ5TO6
ハンガーラックを移動するときのキャスターの動き
ハンガーラックのキャスターには上からの荷重以外だけではなく、移動時には横からの荷重がかかります。
何も掛けずに移動した場合にはスムーズに回転するタイヤも、重量がかかると回転しづらくなるはお分かりいただけると思います。
このためにはベアリング入りのキャスターが使われているハンガーラックを選んでください。
ちなみにベアリングとはキャスターの軸の周りを球など回転して摩擦抵抗を抑えるものです。
参考)KOYO様コラム
https://koyo.jtekt.co.jp/2019/01/column01-03.html
球が入っているものは、ボールベアリングと言われるものになりますが、球が真球に近いほど動きは良くなるので、ボールベアリングの球(通常は鋼球)は真球に近いものを使用しています。
もう一点キャスターの構造上負荷がかかるのは写真の部分になります。
この部分は移動するときに水平に回転をするのですが、ここ回転しやすいようにベアリングを使用されている方が良いといえます。
ちなみにタフグランハンガーラックはどちらにもボールベアリングを採用したキャスターになります。
また、移動する場所は常に平坦とは限りません。
小さな段でも洋服の掛かったハンガーラックには引っ掛かりになります。
実際、当店のお客様で芸能プロダクションの衣装担当の方からは、ステージ上ではケーブルなど多く、洋服を掛けたまま移動するコンサート会場ではキャスターに強度が必要ですと話されていました。
特に大きな段を越えるには直径の大きい車輪のハンガーラックをお選びください。
おすすめハンガーラック
業務用ハンガーラックは移動前提
店舗や物流、業務用に使われるハンガーラックは移動することを前提に考えてお選びください。
プロ仕様として耐荷重が大きいのにキャスターが貧弱なものもあります。
いざ使い始めたら、キャスターが貧弱で脚部から斜め向いてしまうというこもありえます。
また、ご家庭で使うに場合でも、この時期は部屋干しなどでハンガーラックを使うこともあるのではないでしょうか。
水を吸った洗濯物は、シャツですら重量があるものです。
また、洗濯物が乾きやすい位置にハンガーラックを移動することもあると思います。
キャスターはハンガーラックの強度を出す非常に重要なパーツです。
しっかりと注目してハンガーラック選びをしてみてください。